2015/02/13
外部記憶装置

某日。
坂東眞砂子さんのタヒチでの暮らしぶりを
撮影した写真家の篠田英美さんが写真展を開いていた。

新潮社の中瀬さんや作家の平山夢明さんと偲びながら
どの写真が好きか、どの写真が彼女らしいか、
などを語りあいつつ、焼肉。

焼肉名門の名物店長Nさんに衝撃を受けた。
肉を焼きながら歌を歌い、1秒たりとも黙っていない。
その昭和なフレーズセンスがツボにはまり、
久々に「奇特な人」を堪能できた。
真っ黒に日焼けしてたぶんチンコの根元まで黒い。

某日。
別の日に再度写真展へ訪れる。
作家島村菜津さんや
イタリアに精通したコーディネーターさん、放送作家さんと。
その日には眞砂子さんのお母さんと妹さんも来ていて、
貴重な昔話をしていただく。ワイン飲みながら。

篠田さんの写真はとても素敵だった。
かっこつけない眞砂子さんの本質をびしっと捉えて、
ごく自然体に写しだしていた。愛と技術と心がある写真。

いつもワインを飲みながら意見をぶつけ合うのが
好きだった眞砂子さん。
そんな瞬間を切りとった写真(背景に飼い猫がシルエットで入っている)や
収穫した花やバニラビーンズを抱える写真がとてもよかった。
涙が出る。

某日。
新潮社KさんとAさんと初めての飲み会@四谷荒木町。
鶏の白子なんて初めて食べた。
たいした段差もないところで、さりげなく
すっと手を差し伸べてくれたKさんは、
ナチュラルボーン紳士なのだと思った。

某日。
この20年、一度も仕事をしたことがないB社の
女子Gさんが来訪。
23歳という年齢を聞いて、おお、とうとうきたか、
産んでいてもおかしくない年齢の人!と思った。
自分が20歳の時に産んでいれば、
彼女くらい大きくなっていたのかと。

仕事の話、テレビの話をしつつ、
いろいろといやらしくアピールしておく。
若い人に媚びうる中年。媚びじゃないか。ネタか。

某日。
40代前半の女性飲み会@歌舞伎町。
Kさんは色気と男前と母性を兼ね備えた漢方薬の専門家。
初対面なのに最初からしっぽふって懐いてしまう。
最近アネゴ肌の人少ないから、貴重な存在。

Wさんは
「東京は四十路一人飲みに優しい。でも
大阪で四十路一人飲みだとえげつないくらいに冷たい」
という話をしてくれた。大阪のほうが優しそうな印象だが、
BBAにあきらかに優しくないんだそうだ。

Kさんは社長で、メノポーズカウンセラーの資格ももっている。
若い男性の上半身にハマっているらしく、
「こうしてこうやって触りたい!」とアクションつきで説明。
へそまでしかいかないアクションに、
え、そこでいいんかい?もっと下までいかんのかい?

顔含む上半身だけでいいのだとか。
皆で「ライザップへ行け」という結論に。
見目麗しい若い男性トレーナーを顔採用しているらしく。
そんな男に叱咤激励&筋トレさせられて、30万か。

某日。
夫へのバレンタインチョコを買いに伊勢丹へ。
美味しそうなシンプルなヤツ。一粒の値段に卒倒しそうになる。
でもチョコレートって人からもらうとこれまた格別な味だ。

ずっと腰痛。でも、こもってやらねばならぬ長丁場原稿。
ふっと現実逃避の瞬間。
いろはにほへと が思い出せなくて。
五十音を書き出して、なんだったっけと消していく。

思い出せたのは、
いろはにほへと ちりぬるを
○○○ たれそ ○○○○○
○○の○○やま けふこえて
あさきゆめみじ よひもせん

で、調べて、改めて思う。すげえ、いろはって。
色は匂えど散りぬるを
我が世 誰ぞ 常ならむ
有為の奥山 今日こえて
浅き夢みじ 酔いもせん

なんとまあ完成度の高い文章だろうか…
これを超える文章ってあるのだろうか…

Posted by 吉田潮 on 2015/02/13 at 16:08:09




2015/02/02
東京新聞「私の書棚から」

某日
弟分M君から教えてもらったモダンスイマーズの芝居。
「悲しみよ、消えないでくれ」

ワンシチュエーションで役者8人。
故人を偲ぶはずの空気は徐々に不穏なものへ変わっていく。
ひとりのセリフが状況を一変させる。
同情は敵意に、親愛は失望に、恋慕は殺意に。
かといって陰惨ではなくて、
「人間ってこんなもんだよね、どうしようもない生き物よね」
と弱さを愛でる感じ。

いやあ、面白かった。3000円は安すぎる。

本日
新聞に原稿が載るって心躍る。
毎日めくってるモノに自分の書いた文字が。
親や姉からも連絡あり。
家族が普段から目にしている媒体で
仕事をできるって、やっぱり嬉しい。
眞砂子さんへの追悼も込めて
残り2本は2月16日、23日掲載です。

Posted by 吉田潮 on 2015/02/02 at 10:41:05




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