2014/05/29
ハメシュとタヌキ油とハクビシン

坂東眞砂子さんの最後の本が出た。
時間がなくてまだ読んでいないのだけれど、
これは未完ではなく、眞砂子さんも
最後までゲラチェックをした作品だそう。
もともと婦人公論で連載していたのだけれど、
まとまってから読む楽しみのために、
単行本になるまで待っていた。
うりこひめのつやぶみ 

それで再び思い出す。
高知県のいいところを私に
たくさん教えてくれたのが眞砂子さんだった。

開放的で豪快でかっこつけない。
おかしいことはおかしいと口に出して言う。
酒とたばことセックスに寛容(私のイメージね)
魚偏差値と酒偏差値が高い。
日本から独立できるかもしれない豊富な資源。
でも実は「超保守的」という裏返し
(私のイメージね。眞砂子さん作品「くちぬい」参照)。

そんな高知県のエグみをリポートした記事が載っていた。
東京出身の若手記者がたじたじするさまが面白い。

「ハフィントンポスト」社会欄
「ハメシュってなに? 限界集落支える3種のジビエ」
http://www.huffingtonpost.jp/jcej/hameshu_b_5401745.html?utm_hp_ref=japan-society

ハメシュってなんじゃらほい?と思った人は
ちょっと読んでみてほしい。
ちょっぴり淫靡な響きなんだけど。

ジビエで思い出すのはウサギ。
眞砂子さんが飼っていた猫が野ウサギをしとめてきたことがある。
自分の体よりも巨大な野ウサギをきっちりハント。
猫を褒めてやると同時に、
せっかくいただいた命を美味しくいただくのが礼儀、
と眞砂子さんは赤ワイン煮を作ってくれた。
毛をむしるなどの作業を私自身は観ていないのだが、
出来上がったウサギの赤ワイン煮はとってもおいしかった。
新鮮なせいか、ジビエ特有のケモノ臭もそんなになかったと記憶。

そういえばハメもよく出ると言っていた。
タバコの吸い殻を撒いておくと、ハメよけになるらしい。
さて、ハメってなんでしょう?

Posted by 吉田潮 on 2014/05/29 at 12:35:18




2014/05/25
書いても書いても終わらない

原稿を書いても書いても終わらない。
次のネタとかサイクルがずんずん来てしまうので、
ちゃっちゃと片付けていかないと、
とんでもないことになってしまう。

今死んだら、すげえ迷惑かけるだろうなと、
思いながら、日々過ごす。
読みたい本があっても、電車移動中か深夜に限られる。
7月はちょっと休もう。断る勇気も必要。

温泉行きたい。
海をぼーっと眺めたい。
シュノーケリングしたりして、ぼーっと泳ぎたい。
朝から酒飲んでぶわーっと解放されたい。
欲望が渦巻く。

夫も今めちゃくちゃ忙しいので、
最近はスカイプを導入。
顔を見ながら話すのは精神衛生上よろしいな。
疲れきった夫の顔と老けくさった自分の顔を
PC画面で痛く確認。
今年こそ一緒に旅行(長期)に行けたらいいんだけどなぁ。

と、つかのま現実逃避してみる。



Posted by 吉田潮 on 2014/05/25 at 20:39:46




2014/05/19
「殺風景」と「眠る魚」

芝居「殺風景」を観に行く。
挿入歌「黒の舟唄」は野坂昭如作詞と初めて知る
「家族」って決して温かくて包まれる居心地のいいモノだけとは
限らない。家族だからこそ生じる違和感や憎しみもある。

パンフレットで明治大学文学部教授の諸富祥彦氏が説いているのだが、
「日本で起きている殺人事件の半数以上は家庭内で起きている。
89年には39・9%だったのが2010年には52・3%。
家族の抱える闇は深さを増している」

で、この舞台はある意味、家族の絆を描いている。
ただし犯罪によって結びつきを確認するという
まあ、なんともいえない重くて深い題材。

ヤクザもどきの一家が犯罪に手を染めていくところが、
ちょっと尼崎連続殺人事件を思わせる。

美スタイル&絶対的な小物感あふれる大倉孝二、
キュートな狂気と妖艶な稚拙性をはらむ荻野目慶子、
とてつもないビッチ感あふれる大和田美帆(バクの娘ね)、
戦慄のキチガイ感とあばずれ感を成立させるキムラ緑子、
空気を瞬間で凍てつかせる江口のりこ・・・
手練れの役者がこれでもかこれでもかと登場してくる
贅沢なお芝居だった。

好きな役者さんばっかりで、
(他には太賀、近藤公園、尾上寛之、西岡徳馬ら)
心底安心&堪能できた。
重苦しいんだけど、家族の意味を考えさせられる面も。
「共同体の呪縛」にとらわれていると、おかしなことになるって話でもある。

挿入歌「黒の舟唄」は改めていい歌だなぁと。

男と女の間には深くて暗い川がある
誰も渡れぬ川なれど
エンヤコラ今夜も舟を出す
ローアンドロー ローアンドロー
振り返るな ロー ロー

土地への思いの深さを改めて知る
眞砂子さんの本が出た。
本当に残念なことに未完の作。

不安や違和感を口にできない空気が渦巻く日本の現状。
これを形にできるのは作家や漫画家だと思う。

「日本は福島原発事故を境に、ファンタジー世界に入り込んでしまったのだ」
「たぶん、これが思考停止と呼ばれる状態なのだろう」

眞砂子さんの思いは登場人物に込められている。
最後まで描くことができなかったけれども、
結論は出ている。
口を閉ざさないこと。全力で逃げること。

装丁には文中にも登場する「原爆の図」。
丸木位里・丸木俊 作。
長崎原爆資料館所蔵

ふと思い出すのは小噺。
沈没寸前の船に乗っている各国籍の人々に
避難のためにどんな言葉をかけたら海に飛び込んでくれるか、
というもの。国民性の特徴を表すものなんだけど。

イギリス人には「紳士はみな飛び込んでいますよ」
フランス人には「絶対飛び込まないでください」
ドイツ人には「規則ですから飛び込んでください」
アメリカ人には「飛び込めばあなたはヒーローですよ」

で、日本人には
「みなさん飛び込んでますよ」。

みなさんそうしてますよ、に弱い国民性。
「これ今いちばん売れていますよ」
「これ人気NO.1の商品なんですよ」
と言われて買いたくなる性質。

もちろんこれがいい面もあるけれど、
間違った方向へ一斉に向かうのは怖い。

Posted by 吉田潮 on 2014/05/19 at 10:45:57




2014/05/16
意固地

伊勢丹地下に入っている
京都の和菓子屋「仙太郎」は
いつも大行列。

並ぶのが大嫌いなので、
空いているときしか買わない。
仙太郎のモノを買えるときはラッキーデー、
と思うようにしている。

そして、本日ラッキーデー。
私の大好きなぼた餅を購入。

ここんちのぼた餅には青じそが入っている。
パンフレットの文言が面白いので、ご紹介。

・・・・香味も然る事ながら、舌先に
おもねらず、胃の腑においしさを問う
為にあえて刻み入れる。当初は、よく
ゴミに間違われ叱られることもあった。
でも意固地に入れつゞけて今では認め
てもらえている。
この青じそ、一部は私共の丹波工場横
のハウスで自家栽培のもの。
今年で十六年目、いつかは全量賄える
ように・・・・。

意固地に入れ続ける、低姿勢なんだかイケズなんだか、
よくわからないけれど、好感のもてるこだわり。
頭に思い浮かぶのは「ごちそうさん」のキムラ緑子。

昔、私の母もよくおはぎを作ってくれた。
千葉ではおはぎと呼んでいたが、
関西はぼたもち、なのかな?

そういえば、日本昔話でじいさんとばあさんが
旅人を泊めてあげて、もてなしとして
おはぎを出そうと話していたら、
それを聞いた旅人はびびって逃げてしまったという話があった。
その地方では、ぼたもちを「半殺し」と呼ぶというオチね。

もち米炊いて、すり鉢でつぶして、
あんこは鍋で煮込んで。
きなこ、黒胡麻には砂糖をぶちこんで。

母のつくるおはぎはぶさいくでデカくてそっけないんだけれど、
あれはあれでとても美味しかったなぁ。
結構、きなこが好きだったような気がする。

仙太郎のぼたもちで一番好きなのは
七穀(あれ?五穀だったかな、忘れちゃったけど)
黒米だか赤米などの雑穀を入れてあるヤツ。
で、なかにはびしっとあんこが入っている。

食べる前に写真撮ればよかったけど、
もういてもたってもいられず、頬張ってしまったので、
拙い絵で。
仙太郎のぼた餅で埋め尽くされたい

見た目はどーんと重厚感、
でも1日しか持たないので、
人様へのお土産には難しい。
結果、自分用である。
ここんちの水羊羹もおいしいんだよなぁ。

あんこラブだけど、仙太郎が近くにない人や
遠く離れた外国在住の人は
舌打ち100万回するような内容。すみません。



Posted by 吉田潮 on 2014/05/16 at 18:30:00




2014/05/15
1キロごときでベロベロ

毎日あちゃこちゃ取材で外に出ることが増えた。

電車に乗ると面倒くさい場所ってのがある。
歩けば20分以内に着きそうな、
でも電車に乗ると2回も乗り換え、的な。

天気がよかったので歩くことに。
ただし、ヒール。
1キロ程度の距離なのに、ヒールで歩いて
外反母趾が超悪化。
しかも皮がベロベロに剥けて、悲惨なことに。
やっぱヒールは歩くためのものではない。

靴擦れが激しく痛むから
タクシーに乗ればいいのに、
途中で本屋があるから、無理して歩いてしまう。

本屋でテンション上がる本を2冊購入。
これで靴擦れの憂いも吹き飛ぶ!

そもそものきっかけは北斎漫画。
NHKの日曜美術館の再放送でやっていて、
なんだかおもしろそうだったので、俄然欲しくなる。
北斎漫画を探していたら、
うっかり見つけたのが山口晃画伯の
「すゞしろ日記」第二弾だった。
ポチがたまらなくかわいい
ダジャレネタ、カミサンネタを心の底から楽しむ。
老眼にはキツイかもしれないが、
画伯の絵は脳内のセロトニン分泌を増加させてくれる。
多幸感をもたらす絵。

東京新聞で連載している「親鸞」も
画伯の絵である。毎日画伯の絵を見るのが愉しみ。

そうそう、それで北斎漫画。
ぱらぱらっと見たのだが、なんだかピンとこない。
むしろその横にあった、歌川国芳の画集のほうが俄然気になる。
さらには「ねこと国芳」なる本を発見。
この、なんともいえない書体もいいよね

むーん!

猫好きの心をかきみだしおって。
しかも、しおりひも(スピンって言うんですって)が
極上にカワイイじゃねえか…。
こういう、無駄に心惹かれる細工に弱い。即買い。

歌川国芳は極彩色の英雄図から
見目麗しい役者や女の浮世絵、
おどろおどろしい化け物図など、
本当にいろいろなタッチがある。
でも猫が好き。猫がちょいちょい出てくる。
それを集めたのがこの本。
たまんない。眺めてニヤニヤ。

猫好きは日本の消費経済をかなり支えていると思う。

Posted by 吉田潮 on 2014/05/15 at 19:30:18




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